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シリーズ番外編 「2つの視点」 (1)

番外編
2013-12-30

番外編

 ・・・ちょっと圧迫面接シリーズからは寄り道になりますが、圧迫面接を説明する布石になるので、お付き合いください。まあ、いつもどおりって言えばそうなんだけど(笑)?
 学生というのは非常に生意気です。何の根拠もないのに、自分は他人とは違うんだっていうニュアンスの価値観。そんな学生の価値観を、まだまだ青い、と呟く世の常識人は多いですが、僕個人は、それは学生の最大の長所である・・・と思っています。この価値観に根拠がないからこそ、前に進める訳だし、この価値観が生意気だからこそ、先の見えない就活を不安でいっぱいになりながらも、高いモチベーションを保って行っていける訳です。
 ほとんどの学生がその他大勢、One of them であるにもかかわらず、自分だけはそれを認めないと言うか、現実から目を背けるっていう刺々しさは、学生時代特有のものだと思います。それが周りから看過されるのもこの時代に生きる者の特権。だからこそ大変貴重な瞬間の積み重ねです。大いに生意気であってほしいと思うし、生意気な学生同士が集って、酒でも飲みながら大いに議論してほしいとも思います。自分本位の理屈のぶつかり合いです。これだけで酒が飲める。
 お先に社会に出た世の常識人から見ると、その議論は全く非現実的で、建設的ではないことが多いですが、それは学生時代だからこそ出来ること。逆に言うと、そういった経験を踏まない学生は、底が浅く、将来の可能性が狭まってしまうのではないかとすら思いますね。
 こういった学生が3年生の中盤から行う就活も、学生時代の一コマ。だから自分は何かできるはず!っていう自信やプライドで占められ、その自負が、少しでも大きな企業に少しでも多くの内定を早くもらいたい!という方向に走ってしまうんです、普通の学生はね。もちろんそれは間違いじゃありません。
 でも、実際の就活はどうでしょう??就活は、学生時代の後半に陣取る大きなイベントでしょうが、実はイニシアティブは企業、つまり世の常識人である社会人たちが取っています。だから就活は、一見学生のイベントに感じますが、これは企業本位のイベントなんです。学生はこれにただ参加するだけの One of them の存在です。
 企業のイベントである以上、面接官は世の常識という現実路線で学生を視ます。面接官というのは、さすがに生意気じゃないからね(笑)。学生がOne of them ということを前提として、会社の採用スペックに合うかどうか?将来のエースになり得るか?これを判断するんです。面接官にとって目の前の学生は、その他大勢、みんな同じなんだから、何とかその本質を視ようと、学生によって質問内容や口調が変わってくるのは当たり前なんです。
 学生にとってこの時期はまだ、生意気路線真っ只中。自分は他のヤツとは違うんだ!自分のここを視てくれ!ていう風に猛烈にアピールしたがります。自分は他人よりここが優秀なんだ!っていう感じにね。また、それが正しい自己PRだと認識しています。他の学生より自分が勝っている要素を何とか見出して、それを自分で考えた自己分析のキーワードに、半ば強引に結びつけて、後はひたすら暗記。
 生意気な学生は、自分が他人とは違うんだ!という価値観の持ち主です。だから学生時代に行うイベントである就活でも、自分が他人より勝っていることをアピールするのが自己PRだと思っているし、偏差値志向が抜けきれていない影響で、それをスラスラと流暢に言える者が優秀なんだと思い込み、言うべきことを暗記して面接に臨みます。噛まずにそれを“発表”できれば、100点がもらえると信じているから。
 でも企業の見方は、学生とは大きく異なります。企業は学生に対して、他人より優れた要素を探そうなんて微塵も考えていません。学生一人一人に対して、他の学生より優れているポイントや、勝っているポイントを探していたら、時間がいくらあっても足りないし、第一それは意味がないことなんです。これが判るでしょうか?


他人より勝っている何かを持っている学生 ≠ 企業が優秀だと判断する学生

 というのが面接の常識。でもこの2つがイコールだと思い込んでいる学生は非常に多いんです。
 企業に勤める従業員というのは、One of them の集まりなんです。皆がその他大勢だからこそ、法人という組織体を構成して成長を遂げようとする訳です。ということは、One of them を選ぼうとする採用面接で、面接官は他人に何かのカタチで勝っている要素を持っている学生ばかり選ぶ訳がない、という理屈になります。
 新卒の採用面接は、今の時期は多くの企業が行っています。もし全ての企業で、他人より勝っている何かを持っている学生ばかり選んでいるとすると、採用する学生がいなくなって大変なことになります。
 もし企業が他人より勝っている学生だけに内定を出すとすると、例えば、陸上の100メートル短距離走で 2位だった人は1位の人に比べて劣っているから、落ちてしまうでしょう。そうすると6人1組で走ったとして、その時点で5人が脱落する訳です。
 この1位になった人は、学校内の大会で1位だったとします。そこで1位になったという結果を自己PRにしようと思って、集団面接に臨んだところ、横に座った学生は全国大会で1位でした。これで学校内の大会で1位だった人は落ちてしまう。でも他にアジア大会で1位だった人が出てきて・・・なんていう風になっていく訳です。
 これを読んで、「そんなことあるわけないじゃん!?」って思った人、いるでしょ?でも、これは極端な事例を挙げたからそう思うだけで、実際に皆さんが、就活で自己PRを考えるときや、面接に挑む時って、こういう考えをしてるんですよ。「何かアイツより勝っているところってないか?」ってね。
 こういう生意気路線で自己PRを考えるほとんど全ての学生の行き着くところは、

「私は、自己PRすることがない・・・」

「私は、人に誇れるような体験なんて全くして来なかった・・・。ダメだ。どうしよう?」
 ってマイナス志向に突き進んでいく訳なんですよね。だって、他人に勝っている経験なんてそうそうある訳じゃないから、一生懸命過去を振り返っても、ネタがないんです。ネタが無いから立ち止まる。

続きます。


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