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世間は狭い。

休題
2010-07-11

休題

東京駅八重洲口を出て5分くらいのところに、女子大生ご用達のお寿司屋さんがあります。


 なぜそこが女子大生ご用達なのかというと、いつもは饒舌な板前のオッチャンが、「オトコを連れてきたら無口になる」と宣言しているからです(笑)。
 まあ立地的に、サラリーマンのオッサン達が多いため、いつ行ってもネクタイにワイシャツ姿のオトコどもが、仕事の愚痴を吐き出していることが多いのは確かだけど。


 ある女子大生の子と2人で、そのお寿司屋さんのカウンターに座って話していたときのこと。その子は、某大手出版社が大本命で、その会社にエントリーしてコマを進めていました。


 ・・・が、最終前の二次面接で、残念ながら敗退。面接官が圧迫だったとか、落ちた理由が掴めないとか、色々愚痴を吐き出していました。


 その時、お店のカウンターには、中年サラリーマンの2人連れが座って飲んでいました。たまに来る常連さんの部類に入る人たちです。


 板前のオッチャンは、魚を切ったり、寿司を握ったりしながら、こちらの話を聞いたり、雑談に参加したり、時にはその中年サラリーマンの相手をしたりしていました。


 と、そこまではよくある光景。でもこの後、すごいドラマがありました。以下は、その女子大生が帰った後の話。
カウンターには、先ほどの中年サラリーマンがまだ座って飲み続けています。



 板前さん 「よーよー。さっき、そっちに座ってた女の子、いただろ?覚えてる?」



と、中年サラリーマンの片方であるAさんに話しかけ始めました。



 Aさん  「ああ、いたねえ。いたいた。」



と、Aさんは相槌を打ちつつ、それがどうした?と言わんばかりの表情。




 板前さん 「あの子さー、就職活動やってる大学生でさ、さっき入りたかった会社の面接に        落ちたって言ってショック受けてたんだけどよ」


 Aさん  「へえ、そうなんだ。」


 板前さん 「あの子、おたくの会社受けて落っことされたみたいよ」


 Aさん  「えー?ウチの会社を!?」



 そうなんです。偶然と言うか、世間は狭いと言うか、Aさんは、女子大生の子が行きたくて行きたくて仕方なかった出版会社の社長さんだったんです。最終面接官と新卒候補者が、場所を変えて急接近していたという訳です。



 板前さん 「そーだよ。あの子、おたくの会社、なんで落ちたんだって悩んでたよ」


 A社長  「あんな子、面接のとき、いたっけなあ?」


 板前さん 「いい子だったのに。かわいそうによお」


 A社長  「俺んとこまで上がって来る前に落とされてるよ。記憶にないもん」


 いかにも会社の組織っぽい回答です(笑)。役割分担と権限委譲がシッカリ出来ている会社の大人たちは、こういうことをよく言います。


 板前さんにとっては、大会社の社長も名も無き学生も、どっちも同じ客。優劣なんてありません。同じような対応をします。だからこそ、社長と学生が同じカウンターに座っていられるんだけど(笑)。


 実はこの話には後日談があって、その女子大生の素をキャラを間近で見ていたA社長さんが、興味を持たれて、別の日にそのお寿司屋さんで会って、話をしたそうです。その後どうなったか?は、秘密(笑)。

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