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シリーズ 10 「この職種・部署ってなにやるの?」 管理部門②

職種・部署
2018-06-30

職種・部署

管理部門の続き。
 管理部門の業務というのは、原則として、法律とルールに則って遂行されます。ルールとは会社ごとにある社内規程、マニュアルといったものです。
 『恣意(しい)』という言葉を知っているでしょうか?これは個人の裁量や気分で仕事を行うという意味ですが、管理部門の仕事に恣意性があると非常に問題です。例えば、交通費の精算をする時、会社のルールで「毎週水曜日に締めて金曜日に支払う」と決まっているとします。そうすると、現金の支払を担当する財務部は、水曜までにチェックして金曜日に払い出し、本人に渡す。これは社長だろうが新入社員だろうが原則同じです。
 でも、ここで財務部の支払担当者が、「Aさんは嫌いだから、来週の金曜に払おう。でもB君とは仲良いから今日すぐに払ってやろう」なんてやっていると、ルールも秩序もくずれます。また人事の給与担当者が、「C君はウザイから月給5万円減らしてやろう。その分をDさんに追加しよう」なんてやっているとしたらちょっと怖いですよね?こんな気分屋仕事にならないように会社にはルールが明文化されており、それに則って仕事を進めていく訳です。
 ルールや会社の規程を遵守して仕事をするのは基本的なことであり、大切なことです。新入社員の皆さんは、入社後には、とにかく会社のルールやマニュアル、そしてその会社の慣習を覚えさせられます。でも一方で会社は利益を出してナンボの集団です。だからルールを知っているのは非常に大切なことですが、管理部門がルールにガチガチに固執して「それは出来ません!」とか「これはルール違反だからダメです!」なんてことしか言わない人間の集まりになってしまうと、かえって会社の成長を阻害することになりかねません。
 ・・・とここまで読むとルールを守れといっておきながら、実際は違うなんて、一見矛盾しているように見えます。でもこれは矛盾していないんです。少なくとも会社を維持していくためにはね。
 下の図を見て下さい。竹を横にスパッと切ったようなものをイメージしてもらえるといいです。円が2つ重なっているイメージ。非常に簡単な図ですが、これこそ管理部門の全てといってもいいです。

管理部門イメージ


内円と外円を境界にして3つの世界が存在しています。それぞれの世界を仕切る境界は、
  ①と②の境界線(内側の円) ・・・ 「社内規程・ルールの限界線」
  ②と③の境界線(外側の円) ・・・ 「法律の限界線」
と、僕は勝手に命名しています。
 一般に新入社員が管理部門に配属になると、先輩社員から色々業務を教えてもらいますが、それは①の世界の業務、つまり社内規程とルールの世界の業務です。つまり、その会社内で通用するやり方。もちろんこれを覚えることは非常に大切。これを覚えないと、上記に書いた恣意性のある仕事をすることになってしまいます。
 どこの会社であっても。絶対にやってはいけないのが、③の世界に立ち入ること。つまり法律違反ということです。これはマズイ。しかし、①の世界である社内規程やルールというのは、あくまでも社内の取決めです。ここの世界の決まりやルールを逸脱してしまうことは、法律違反でしょうか?違います。会社的にはルール違反ですが、でも対外的に糾弾されたり、警察沙汰になることはありません。
 この、①の世界を逸脱して③の世界を超えないようにすること。これが②の世界です。一般的にはグレーゾーンと呼ばれることもあるけど、②の世界のことを僕は勝手に「合法的ルール違反の世界」と呼んでいます。
 管理部門のスキルアップというのは、いかに①と③の世界を理解して、また同時に必要に応じて、柔軟に②の世界に立ち入ることができるか?に尽きます。管理部門で仕事が出来るヒトというのは、状況を見極めて、①と②の境界線を自由に伸縮させ、②と③の境界線ギリギリまで持っていけるヒトのことを言います。合法的ルール違反の本質を知っているヒト。つまり仕事の引出しが多いということ。落としどころを知っているヒトです。
 これは会社全体のことと、会社の成長の源泉(つまり会社がどういう流れで儲けているか?ということ)を理解してないとできないんです。
つづく。



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