twitter facebook お問い合せフォーム

シリーズ 31 『会社の視点でエントリーシート(ES)を考える』 ~企業の想いを読む

エントリーシートの考え方・書き方
2017-03-05

エントリーシートの考え方・書き方

 食品メーカーのというのは、基本的には、営業色の非常に濃い社風なんです。ここのところは、食品に限らず、一般的なメーカー系を希望する学生は、頭に入れておいて欲しいと思います。      食品に限らず、テレビで宣伝を行ったり、ブランド力がある商品を持っている企業は、どうしても、その商品ありきというか、商品ブランドイメージで企業全体をイメージして考えてしまいますが、テレビで宣伝をしたり、ブランドの力だけに頼って会社が維持できるかというと、現実はそんなに甘くはありません。民間企業は競争社会にいます。今の状態に満足し、あぐらをかいていると、ライバル企業に、すぐに足元をすくわれることになります。また、特に上場企業の場合は、常に拡販して、利益を出していかなければならない宿命も背負っています。        だから、食品メーカーの仕事の大半は、営業職です。しかも、地道なルートセールスや問屋営業、また新規開拓営業。        取り扱っている商品に憧れて、あんな商品を企画したい!デザインしたい!なんて考えている学生は、大変多いです。それをモチベーションに、就活に勤しむこともあるでしょう。それ自体を否定はしませんが、一方で、そこだけ視ていられても、企業としては困ります。どんな会社だって、やっぱり作った商品が売れてくれないと、ブランドも何もあったもんじゃない。そのブランドを支えるのが、一人一人の営業マン、という訳ですね。        こういった実態を見抜いているか?・・・学生にこれを求めるのは、現実には難しいでしょう。それは、会社サイドだって判っています。しかし見抜いていなくても、そういう現実に耐えうるか?ということを判断するために、まずは、第一段階として、エントリーシートの質問がある訳です。ここまでイメージできれば、エントリーシートに対する攻め方も変わってくるはずです。        ここまでを踏まえて質問の事例に戻りましょう。            質問1 自己PRをして下さい。
 質問2 学生時代に一番頑張ったことを教えて下さい。
 質問3 当社でやりたいことは何ですか?
 質問4 当社の営業についてどう思いますか?
             ・・・さて、どうでしょうか?漠然とした印象しか持ち得なかった質問も、会社サイドの意図をイメージすることができれば、何となく一つのストーリー性が見えません?          ルートセールスや問屋営業の場合、これは非常に地道な仕事です。決まった取引先を訪問して、取引先とコミュニケーションを取り、商品を補充していく。またその上で、新規開拓で新たな顧客も獲得していく・・・。これは、忍耐や粘り強さ、あとは古めかしい言葉かもしれませんが、根性とか気合とかって要素も、必要となってきます。それに、現実とのギャップに耐え得るか?とかいった要素ね。        一般に、表の顔が華やかな企業ほど、実際に行う仕事は、地味で泥臭いものです。学生は働いたことがないので、どうしても華やかで、バリバリイキイキと仕事をしているマーケティングや、商品企画にいる自分の姿をイメージしがちですが、でも、そういった部署の人間は、会社全体で見るとごくわずか。会社を支えているのは、多くは地味で泥臭い仕事を受け持つ人間です。        ですので、質問1と質問2は、非常にリンクしていますね。「自己PR」では、積極性とか忍耐強さとかが感じられる学生の方が、うちの会社に向いているって思われるでしょう。でも、思索的な性格や、おとなしそうな印象が伝わってくる学生が、落とされるという訳ではありませんよ。そういう人間イコール営業職に不向き、ということはないから。        自己PRで、性格や人物像を振り分けておいて、次に「学生時代に一番頑張ったこと」です。ここでは、頑張ったことのレベル、状況、頑張った結果どうなったか?なんていうことが、興味を持たれます。場合によっては、汗水たらした根性系のエピソードの方が、好かれるかもしれません。        そして、質問3と質問4です。「当社でやりたいこと」で、営業職を書いている学生については、本人がやりたいと考えている営業観を視ようと努めます。一口に、営業職とは言っても、色んなタイプの営業があります。食品系のメーカーに求められる営業のタイプと、本人のイメージする営業が、あまりにもかけ離れていたら、入社しても辞めていく可能性があるから。        また、マーケティングや商品企画のように、営業職以外を書いてくる学生の場合。現実は、こっちの方が圧倒的に多いですが、そういう人間が、即座に落ちる訳ではありません。もちろん素養は視ますが、営業職に向いているかどうかは、本人には判んないものです。それを見抜くのも人事マンの腕。        そうして、最後に営業についてどう思っているか?を確認してきている訳ですね。これで、その学生の営業観がハッキリ浮かび上がってきます。        そうやって、エントリーシートでは、学生の分類を行なっているんです。いくつかのパターンにはめ込んだ方が、その後の選考もやりやすいしね。有名企業になると、エントリー数も膨大になるので、どうしても、その後の選考を効率的に行なうために、エントリーシートで、何割か落とさざるを得ません。まずは、何度も書いた「とりあえずエントリー層」が落ちる筆頭候補ですが、それ以外に、あまりにも営業観が異なっていると思われる学生も、落とす候補者です。        ただし、営業観が異なって落ちるのは、ハッキリ言って良いことです。企業ブランドの誘惑に負けて、無理して入社しても、後で後悔する危険もあるので。それなら、先に落ちていた方が良いと僕は思います。・・・これは、僕の立場と、今までの経験があるから言えることであって、学生の皆さんは落ちるとショックでしょうけどね。        ただ、ここまでエントリーシートをパターン化できるためには、各々の質問の制限文字数が、大きく影響します。文字数が少なければ、大まかな考えを知りたいと思っているだけで、本当の価値観は、面接で確認してやろうって思っているはずです。        企業のエントリーシートにかける想いは、質問構成に如実に表れますが、一方で、エントリーシートに、どのくらいの採用比重をかけようとしているか?を考えることも重要。この比重のレベルを計るファクターが、制限文字数というわけ。一般的に、制限文字数が少ないエントリーシートになればなるほど、面接重視の企業です。こういう企業のエントリーシートは、あまり悩む必要もないかな?        この時期、色んな会社のエントリーシートの提出期限が重なって、しかも、学校の勉強やゼミもあるしで、学生は大変でしょうが、エントリーシートにかける会社ごとの想いをイメージできれば、時間を効果的に使えるはず。時間を効果的に使うセンスも、社会人には必要だから。いい訓練になるでしょう。       つづく。  

▲PAGE TOP