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シリーズ 34 「自己PRのやり方・書き方論」 お弁当の説明できる?⑥

自己PRの考え方・やり方・書き方
2018-06-09

自己PRの考え方・やり方・書き方

引き続き基本情報について。
 A君のアピール内容である「根性と責任感」については、残念ながら、A君が回答した自己PRだけでは、その信憑性は、イマイチ判断つきかねます。
 しかし、だからといって、最初の回答がよく判らないという理由で、A君を落してしまうとすれば、その面接官は、面接官としての仕事を全うしていません。あまりにも安易過ぎるからです。それこそ、試験問題の○×のような判断と一緒になって、人の見極めに至っていない。
 それでは人物像なんて、いつまで経っても判るわけがない。
 面接時間って、どうして30分以上もあるのでしょうか?どうして、面接官はしつこく食いついてくるのでしょうか?それは、候補者の人物像と会社の採用スペックにハマるかどうか?を見極めるためです。
 人物像を見極めるには、質疑応答が必要だし、質疑応答には、一定以上の時間が必要。よって、学生が嫌で嫌でたまらない面接時間の長さや質問も、面接官にとってみれば、自分の仕事を全うするためには、最低限それだけは必要だ、ということになります。
 だからこそ言い方を変えると、集団面接やGDでは学生の人物像と、会社の採用スペックにハマるかどうか?を見極めるのは難しいのです。一人当たり10分くらいの所要時間で、且つ少ない人で、質問が1回という選考の中、全てを確認するのは不可能です。もし、いや俺には出来る!という面接官がいたら、それは、自分の主観と先入観で判断しているに過ぎません。こういう過信をしている面接官がいたら、学生にとっても会社にとっても、不幸な話(詳細は、「集団モノシリーズ」 を参照して下さい)。
 よって、A君の場合も、必然的に突っ込まれる運命にあります。でもそれは、基本情報を出来るだけ押さえていって、A君の見極めをしようとする大事な作業です。
 もし、自分のある一つの回答に関して、あまり突っ込んだ質問が飛んでこなかったら、それは、回答の精度が高く、納得性と説得性が十分見出せたか、もしくは、その質問を掘り下げていっても、人物像の見極めにはあまり有効ではない、と面接官が判断したためでしょうね。
 話をA君に戻します。A君の回答を聞いて、僕ならこんなことを聞こうと思う、という事例を前回は挙げました。その見解です。
 A君の自己PRを、ただ聞いただけでは、どれくらいの根性が必要なのか、またどのくらい責任感を要するのか、が客観的にはみえません。A君自身が「俺は根性と責任感だけは負けないぞ!」って思っていても、それは、実はそれほどのものでもないかもしれないし、もっと他にキラリと光る特長を、備えているかもしれません。
 面接官は、決して学生の回答の揚げ足を取ろうとしている訳ではなく、本質の見極めを行うことに真剣なんです。
 これは前にも書きましたが、A君の回答では、どんなバイトをやっているのか?という基本情報が、加味されていません。一口に接客と言っても、それは幅広い職種だから。飲食店なのか、居酒屋なのか、百貨店なのか、レジなのか、そこの定義をしっかりさせて、A君が、そこで仕事しているイメージを膨らませるために、
「その接客のアルバイトって、具体的にはどんなバイトなんですか?」
 という質問を、どうしてもしたくなります。逆に言うと、A君が、自己PRで「居酒屋の接客」とかって言っていれば、この質問をする必要がなくなり、その分、中身の濃い質疑応答になるんですけど。
 また、A君は接客のバイトを3年間続けた、ということをアピールしていますが、一概に3年間と言っても、色々な3年間があります。極端なことを言えば、年に数回の勤務で、ズルズル続けていたとしても3年は3年です。
 人間の生活スタイルは様々です。アルバイトをする理由として一番大きい理由は、「生活費の足しにする」とか「小遣い稼ぎ」と言った、お金にまつわるものでしょう。よくアルバイトを続けた理由を学生に聞くと、「大学以外で出会いや刺激、そして自分の成長を促したかったから」という答えが返ってくることがあります。これはこれで間違いじゃないでしょうが、でもアルバイトを決める取っ掛かりとしては、やはり家から近いか遠いか?や、時給はどのくらいか?や仕事内容は面白そうか(楽して稼げそうか)?や、自分の生活サイクルにハマりそうか?なんていう直接的な理由から決めていくものです。自分の成長とか刺激とかっていうのは入ってみてから判ることなんです。
 そういう状況下で、A君の「根性と責任感」に、説得性と納得性を見出すためには、
「そのバイトには、週にどのくらい入っていたの?月の稼ぎはどのくらい?」
「バイト先は家から遠いの?」

 この2つの情報は、どうしてもほしいところです。どのくらいアルバイトに時間を費やしていたのか?という視点です。それによって、A君の生活の中に占めるアルバイトの存在が相対的に浮かび上がってきます。これだって、立派な基本情報なんです。アルバイトに率先して熱意を持って臨んでいるのか?という確認です。だってA君は、「根性と責任感」をアピールの軸にしているのだから。
続きます。

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