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シリーズ 10  「業界研究のツボ」  労務環境編

業界研究(労務環境編)
2015-11-01

業界研究(労務環境編)

 「建設」「不動産」。土地・建物を商売の柱にしているという点で、同じカテゴリーに区分しました。学生の皆さんが、業界の矛先を決める際に、ある程度決め打ちしてエントリーができるように、というのが主旨です。
 ただ、この2つの業界は、実は業界の構造も働く環境も全然違います。ともに土地・建物を扱ってるとはいえ、ビジネスの観点からみたら全く違うかもしれません。
 「建設」業界というのは、ベンチャー企業は、ほとんどと言っていいほど存在しません。これには理由があります。まずは設備投資が莫大であるということ。それに公共性がある建造物がほとんどなので、入札制度による受注がほとんど。ということは、実績が必要な訳です。加えて日本の産業の主軸のひとつ。だから業界的な歴史も古く、完成されている業界。だからベンチャーが参入する余地がない、というか、参入しても旨みがないんです。
 ただし、中小企業は多数存在しています。中小企業とベンチャー企業の相違については、「企業規模を視る」  というシリーズで詳しく書いたので、ここでは割愛しますが、下請や系列、といった日本独自の会社も含め、それこそ無数に存在します。いわゆる町工場や零細企業のような会社も多いのが特徴。
 「建設」業界は、基本的には技術者の集まりです。だから従業員に対する考え方もシッカリしています。福利厚生も充実しているし、給料も安定しています。ただ平均年収は、大手>準大手>中小>零細、みたいな判りやすいカタチにはなります。これは大手が受注した仕事が下に落ちてくるというビジネスの構造を考えたら、至極当然。だから将来的な給料が高い方がいい!と思う人は、できるだけ大手からエントリーしていった方がいいです。
 理系の採用というイメージがありますが、会社には必ず管理部門、つまり事務職や営業職もあるので、総合職採用もあります。従業員に対する考え方は、技術者、事務職問わず同じ文化です。
 一方「不動産」業界。こちらは、大手からベンチャーまで多種多様です。不動産業界というのは、一見すると歴史も深く、業界的にも成熟している印象を受けますが、ベテラン企業も存在する一方で、ベテラン企業ではフォローしきれない隙間を狙い、フットワークの軽いベンチャーが食う、という感じかな?
 僕なんか実際、株式上場を目指す不動産ベンチャーから、管理部門の面倒をみてくれないか?という打診が来ることもあるし。ただし、ベンチャーも参入できるという業界だけに、内部管理体制は不完全な会社が多いです。ベンチャーならまだしも、大手と呼ばれる会社であっても、中は隙間だらけ、という会社は実は意外とあるんです。
 そして労働はメチャメチャハード。特に営業はハード。拘束時間も長い傾向にあるし、休みも不定期だし、みたいなね。僕が新卒で入社した会社の後輩の女の子が、転職して、とある不動産ベンチャーに入社しました。その子は元々、バイタリティーのある子で、明るくフットワークも軽い、仕事の出来る子だったんだけど、ハードな環境に耐え切れず、2年持ちませんでした。
 しかし不動産業界は、女性も営業で活躍できる業界です。特に会社が若ければ若いほどその傾向が強いです。新卒入社でいきなりバリバリ第一線、ということもしばしば。
 色々嫌なことを書いてきましたが、「不動産」業界は、労働がハードな分、給料も高いです。これは最大の特徴でしょう。残業代も加味されれば、2~3年後の手取りでいうと、下手をすれば、他の業界に進んだ大学の友達の倍になることだってあるかも。それくらいお金を稼ぐという意味では魅力ある業界の一つです。
 僕の知り合いの住宅営業をしている営業マンは、毎週クラブで飲んでるし、後は、交際費枠も他に比べると使いやすいので、実にリッチですよ。話は全然違いますが、リッチなオトコと付き合いたいと思ってる女の子いたら、迷わず、不動産営業マンを捕まえるべし(笑)。ただ忙しいのでなかなか会えないかもだけど。
 さらにこれはある意味、従業員冥利に尽きますが、不動産を購入する際に、かなり社員割引が利用できるというメリットがありますね。これは福利厚生でも目玉です。学生の皆さんが、住宅やマンションを購入するなんていうのは、なかなか現実感ないでしょうが、将来的には必ず直面する問題だから。しかも高額だし、割引や特典がつくのはかなり助かる話ですよ。
 「不動産」業界に入社したら、ほとんどが営業に回されます。これはある程度覚悟しておいてください。営業企画とかインテリア内装とかの部署に行けるのは、一年目ではまずいません。これは現実なので。
 ただ、仕事はハードですが、人脈はかなりつきますよ。不動産を扱っているという構造上、会社の上層部や、個人のお金持ち、セレブなんかとも交流が持てる可能性が高い。こういう人脈は、将来的にきっと役に立ちますね。だから大事。もちろん人脈を生かすも殺すも自分次第だし、幅を広げるのも自分次第だけど。
つづく。

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