twitter facebook お問い合せフォーム

シリーズ 23  「業界研究のツボ」  労務環境編

業界研究(労務環境編)
2015-11-19

業界研究(労務環境編)

引き続き、業界別の働く環境。今日は「人材業界」です。
 人材業界というのは、IT業界同様、ここ数年で成長しいている業界です。最近ではテレビCMでも人材会社がバンバン登場していますよね。これは、世の中の構造の変化ということが背景にあります。
 言うまでもなく、1990年代初頭から近年にかけての日本という国は、バブル崩壊後の構造改革の模索が続いた時期です。不景気という環境下で、大企業と呼ばれる企業が相次ぎ倒産、企業も終身雇用、年功序列という仕組み変更を余儀なくされ、またリストラという名目で、多くの失業者も輩出しました。
 新卒学生の採用も、各企業で絞込みがなされた結果、内定率が下がり、卒業しても職がないという状況を産み出しました。結果的に雇用形態も、正社員以外の属性が増えてきています。派遣社員、契約社員、業務委託等々。あとはアルバイト、パート社員といった雇用形態もね。
 一方で、景気対策として規制緩和が進む中、市場の隙間をぬって、ベンチャー企業が台頭、色々な新しいビジネス環境も形成されてきました。
 今はその不景気時代を脱却した後の不安定時代に突入しています。ですのでなお更、終身雇用、年功序列には戻ることなく、早期退職等によって、人材の流動化はますます進んでいく傾向にあります。
 ・・・というのが、今の社会背景。いまの学生の皆さんは、厳しい社会情勢ながら、社員採用一本に絞っているでしょうね。それはもちろん正しい選択です。
 今は落ち着きましたが、人材業界は世間の動向によって、もろに影響を受ける業界です。求職者は増えていても、企業の求人数が減れば、商売が成立せず、倒産している人材会社も多い。でも、このご時世とはいえ、人材会社というのは、巷にたくさんあるし、今この瞬間にも、新しい人材ビジネスを起こそうと虎視眈々と狙っている人もいます。
 潰れる人材会社もある一方で、産声をあげる人材会社もある。なぜ、この業界は、そんな特異的な動きをするのでしょうか?理由は3つあります。まずは、社会構造の変化で、転職という選択肢も普通に且つ容易に採り得る状況になってきた、ということが挙げられます。一昔前までは、転職なんてあり得ないという価値観でしたが、今の世の中、転職は自己実現のツール、とまで考えている人もたくさんいます。・・・僕のことですが(笑)。
 そして、前部でも触れましたが、企業のリストラ等で、辞めざるを得ない人が増えている、ということ。「積極的な転職組」と、「本当はしたくないけど転職せざるを得ない消極的転職組」
 さらにもう一つ、人材ビジネスというのは、収益モデルがすでに確立されている、という理由もあります。これはどういうことかというと、儲かる仕組みが確立されている、という意味。
 人材業界のビジネスモデルを非常に簡単に書くと、例えば僕が転職したいと考えている場合。人材会社は僕という商品を、市場から仕入れて、僕が持っているスキルを欲している企業を見つけ出し、僕をその企業に紹介します。僕がその企業に出向き、面接等を行って、相思相愛になれば商談成立。人材会社としては、僕という人物をその企業に変わって、市場から探してきた、という意味の手数料をその企業から受け取る訳です。大体年収の2割から3割。ヘッドハンティングの場合は、4割くらいを手数料としてもらう契約の場合もありますね。
 年収というのは、もちろん個人のスキルやキャリアによって変わってきますが、例えば年収500万円の人が転職した場合に、その2割を企業から受け取るとすると、単純計算で100万円の売上です。非常に実入りがいい訳です。
 市場から人材を見出して仕入れ、それを企業に売り込む。このスタイルこそ人材会社の基本。これは人材派遣事業も構造は同じですね。
 人材業界の悩みのタネは、景気動向が良好なときは、売上の根幹である優秀な人材の確保です。そして今日のように、不況のご時世になると、求人企業の確保に頭を悩ませる。どっちかというと、求人企業の確保のほうがシビアです。売上の源泉は、求人企業の開拓だから。だからどんなに優秀な人を多く集めても、求人企業の開拓ができなければ、その会社は倒産してしまいます。
 よって、人材会社としても、知名度を上げて、人材を確保しようと躍起になっています。最近電車の出入り口や壁面広告で、やたら人材会社の広告が多いことに気づきませんか?これも知名度アップ戦略の一環であり、人材確保の布石にしてるんですね。
今日は業界環境に終始してしまいました。つづきます。

▲PAGE TOP