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シリーズ 24  「業界研究のツボ」  労務環境編

業界研究(労務環境編)
2015-11-20

業界研究(労務環境編)

「人材業界」の働く環境の続き。
 人材会社のドメインは、仕入である人材の確保と、売り先である企業の獲得ということになります。いかに優秀な人材をたくさん抱えるか?と、いかに優良な企業を抱えるか?という点。そういう意味ではビジネスモデルがシッカリ固まっています。
 ビジネスモデルがしっかり固まっているということは、やるべき仕事もキッチリ固まっているということ。キッチリ固まっているということは、新卒でもすぐに仕事が出来るということ。新卒で人材会社に入社した場合、ほとんど全ては企業獲得営業の部隊に配属になりますね。そこで外回りをして、多くの企業と接点を持つことが最初の仕事です。この場合、相手企業の窓口は、人事部機能を持った部署になるはずです。
 そういった意味では、人材業界も典型的な営業会社で、しかも多くは体育会系です。イケイケドンドン、気合!根性!ノルマ!系ね。
 人材業界は、歴史が浅く、まだまだ成熟段階に入った大企業というのは無い、といっても過言ではありません。全てはベンチャー企業であると思ってもらっていいと思います。ほとんど全ての企業では、夜はかなり残業がキツイでしょう。これはビジネスの特性上、仕方ないことでもあるのですが。
 というのは、転職者をターゲットにする場合、カウンセリングも、採用面接も、夜に行われるケースが圧倒的だからです。なぜなら転職者というのは、仕事で生計を立てており、現職を持っているからです。仕事を終えて、転職相談をしたり、企業面接に行ったりしていると、どうしても夜7時以降の対応になります。そうすると必然的に帰りも遅くなるという理屈。
 ところで、話は変わりますが、人材系の企業を目指す学生に、なぜ人材業界を目指すのか?って聞いた時、よくある回答は、以下のようなものです。
「私は、人の話を聞くのが好きなので、多くの人に出会いたい」
「私は、人の相談に乗ったり、アドバイスしたりしてくる立場にいました。だからこれからも仕事に悩んでる方々の力になりたい」
 つまり人材業界に入りたいという一番の動機が、人の話を聞いてあげたいとか、悩める人の力になりたいとかっていうもの。
 しかし、ハッキリ言いますが、こういう想いで人材業界を目指す人は、入社後に後悔することになります。なぜかと言うと、人材業界でうまくやっていける人というのは、「人の話を聞かない人」だからです。
 新卒入社の新社会人が、何の社会経験もなしにいきなりカウンセリング業務に就くことはできないでしょうが、仮にAさんという人が転職相談とかのカウンセラーになって、Bさんという転職希望者のカウンセリングをした場合、Aさんに与えられた使命は、いかに短時間でBさんの状況を把握して、適切な企業を紹介できるかどうか?ということです。
 これをクロージングと言いますが、クロージングの時間は多くても1時間。つまり1時間のうちに、今日初めて会った人間の価値観や仕事感を理解して、どんな企業を紹介すればマッチングするか?を考えなければいけない訳です。企業とのマッチングというのは、言い方を換えれば、いかにスピーディに売上に持っていくか?ということ。
 仕事の効率を上げようと思えば、クロージングの時間を出来るだけ短くして、より多くの転職希望者と会うことが必要。ということは、人の話を親身になって聞いていたら、効率がすこぶる悪いということになります。
 人材会社に勤めたければ、いかに人の話を右から左へ流せるか?この仕事感が必要です。恐らく多くの学生が、ここのところを勘違いしていると思いますね。すなわち、人材業界はいかに親身になって話が聞けるか?と捉えているということです。これは間違いとは言わないまでも正しくない。
 一般論で言うと、どんな人材会社でもこれは同じです。最近は新卒学生を登録者として集めて、企業とマッチングイベントを行うような企業もたくさん出てきていますが、これだって、ビジネスとしては、いかに早く学生に内定をゲットさせるか?が勝負です。こういう会社の社員さんが、自己分析の相談や将来の悩みを聞いてくれるのは、あなたが内定をゲットすれば、イコール会社の売上につながるからです。
 だから逆に言うと、そういう新卒対象の企業に入社したい!と考えている学生がいたら、できるだけ学生の親身にならないことが大事。特定の学生に情が写ってしまうと、その学生一人に時間が割かれ、仕事の効率が悪くなって、結果的には仕事ができない社員ということになってしまうからね。
 人材業界を目指す人は、他人の相談に乗るということは、仕事につなげるためにはどういうパフォーマンスが必要なのか?ということを今一度考えてみてください。

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