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シリーズ13 「企業研究のツボ・やり方論」 11  採用スペックの重要性

企業研究のやり方
2012-12-06

企業研究のやり方

 業界研究のマトリックス的な考え方については、この辺で締めたいと思います。今日から、「採用スペック」の方にテーマを移していきます。
 さて、僕のブログの題名にもなっている「会社サイド」ってキーワード。折に触れて、温度差という言葉で学生側と企業側の「想い」の相違を書いてきました。この「想い」の相違が、就活を困難にする最大の要因です。だって、面接の際、「今日は言いたいこと言ったし、手ごたえアリ!」って思ってた企業で、不採用通知が来ることだってあるんですから。これでは、社会を信じられなくなったり、鬱っぽくなったり、自信をなくしたりしても仕方ないと思います。
 この温度差って、就活中は絶対に埋まりません。だって、学生はその会社で働いたことがないんだから。全ては自分の中の空想と推測の領域です。これは例えて言うなら、自転車に乗れるようになる前後の心情の変化とか、僕はやったことがないけど、バンジージャンプを飛ぶ前後の心情とかに似ていると思いますね。
 自転車に乗れるようになるために練習をしている時期って、すでに乗れる人が、「絶対に乗れるようになったら楽しいから!バランス感覚だけだよ!」なんて言って激励してくれても、やっぱり上手くいかなかったり、転んだり、恥ずかしい思いをしたり、嫌になったり。。。 恐らく乗れるようになると行動範囲も広がるし、風を切る感覚なんかも世界が変わるんだろうなあってイメージできても、実際に乗れてみないと、本当のところは判らない。これはバンジージャンプも同じだと思います。
 この場合のすでに乗れて激励してる人が、就活で言うと、既に内定をもらった先輩や友人。練習してる人が就活中の学生、ってことになります。自転車に乗れるようになれば、なんだ、こんなもんか・・・?って気持ちを共有できますが、それまでは口でいくら言っても無理。そういう感覚にある意味、似ていると思いますよ。
 だから、将来のイメージ像を具体化しようと考えることは、時間の無駄だし、ハッキリいってナンセンス。でも一方で、この温度差っていうのは、絶対に埋まらないとは言え、できるだけその差を狭めることは可能です。
 それは、志望企業の「採用スペックを研究する」ことで達成します。言い方を変えれば、ここが学生と企業との温度差の起点になります。始まりの部分。ここから始まって、
自己分析 → ESに自己PRを書く → 説明会に参加 → 採用面接でプレゼン
 と進めば進むほど、徐々に温度差は開いていきます。これはどうしようもない。途中で温度差が開いていることも実感できません。だって比べる対象がないから。
 だからこそ、できるだけ企業の「採用スペック」、つまり企業が求める人物像を研究して、自分の「働く動機」と「自己分析の結果」および「自分の興味の矛先」が近いと思われるかどうかを検証する必要があるんですね。
 就活を始めたばかりの頃って、面接の臨場感を経験してないから仕方ないんですが、皆さんが受けたい企業があれば、そこに何とか自分の売りを理解してもらおうと、自己PRを一生懸命考えると思います。それは間違ってはいませんが、正しくもありません。何故かと言うと、その考えは自分自身のみの視点だから。でも面接っていうのは双方向性のものなんです。まさにコミュニケーション。意外とこれって多くの学生の頭から抜け落ちています。
 面接って、やっぱり上下関係があって、企業の方が立場は上です。企業が学生を採用するんだから。立場が下の学生は、できるだけ上の立場を理解しようと努める必要があります。
 企業にも学生を採用する際の視点っていうのがあるんです。それにエントリーしてくる学生が合うのかどうかを視てるんです。これが、「採用スペック」に合うかどうかってことです。
 例えば、これはあくまで一般論ですが、皆さんがレジャー施設(テーマパークとか遊園地とか)を運営する企業を受けようと思ってるとします。その企業は現場の接客販売・案内スタッフを多く採ろうと思っていると仮定して下さい。
 そういう娯楽施設の接客販売って、映画館の売店や新幹線の車内販売と同じで、誰が売ったって、そして多少不味くても、黙っていてもある程度は売れるんです。だって閉鎖的な空間で競合がないんだから、そこで買うしかないんだからね。
 だから慣れてくると、こういう接客販売って日々変わらない仕事内容になりがちなんです。もちろん現場に出てるんだから、目の前の仕事で忙しいと感じるのは当たり前。でも、こういう接客販売が本当にデキル人って、このある一定の販売量にプラスアルファをしていくにはどうすればいいのか?っていうのを意識できる人です。黙ってても客は来る。でもそこにプラスする創意工夫。
 例えば笑顔に磨きをかけるとか、マニュアルを守った上で、言葉の使い方を時間帯や年齢層によって巧みに変えてみるとか、売ってる商品の魅力を身体で表現できるとか・・・なんだっていいんだけど、そういう細かい工夫ができる人。それは自分を相手に判ってもらい、自分のパフォーマンスを売れる人でもあります。これが集客アップとプラスアルファに繋がるんです。いくら娯楽施設運営企業が、夢と感動を売る商売って言っても、利益がないと感動は売れないから、そこで働く社員は両方のバランスがないとダメなんです。客に喜んでもらいつつ、しっかりお客の財布の紐を緩めさせるっていうことを。
 こういうことができそうな学生を探してるんですよね。まさにこれが「採用スペック」です。学生が考えた自PRから色々質問していって、そこから創意工夫ができそうなニュアンスが伝わってくれば合格。伝わらなければ不合格。それだけのこと、って感じです。創意工夫ができそうなニュアンスっていうのは、ポテンシャルがちゃんと伝わるかってことなんです。本当の自己PRは、会社サイドの視点、つまり採用スペックを研究しないと完成しないんです。
 「私は、御社の夢と感動を売る姿勢に共感しました!私は積極的な性格です!というのは大学2年のときに・・・」
 と、これは学生側の視点での自己PR。よくある内容です。一方でこの企業の採用スペックを理解すると、
「もともと御社に対して子供の頃から親しみを持っており、憧れが入社意欲に変わっていきました。私は、小さいことでも今の現状を多面的に検証できる性格です。というのは、大学2年のときに・・・・・。御社の本年度の募集要項をみて、必ずや自分のそういう性格が貢献できると確信しました!」
 って感じになります。実際にはこんなに典型的なプレゼンはできないでしょうが、それでも違いは判ってもらえますか?同じ自己PRでも、企業の痒いところに手が届いているかどうかの違いです。
 言葉にすると、本当に難しく聞こえるかもしれませんが、講釈っていうのは、だいたいそういうもんです。でも決して難しくない。以上を意識して、いよいよこれから企業の採用スペックを視ていくことにしましょう。

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