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シリーズ13 「企業研究のツボ・やり方論」 15  採用条件の見方 給与

企業研究のやり方
2012-12-10

企業研究のやり方

今日から企業の諸条件に関して、数回に分けて書いていきます。
 これは、どこの企業の採用スペックを視ても、必ず書いてあるので、業種を問わず比較検討しやすい項目ですが、学生から見方がイマイチ判らないという意見を聞いたりします。
 確かに給与や労働条件はともかくとして、会社の制度を読んでもピンと来ない場合もあるでしょう。制度とは、休暇制度や福利厚生制度、教育研修制度のことを指します。会社の制度を言い出したらキリがないのですが、会社だから労働環境はともかく、制度はどこでも一緒だろう、なんて考えているとしたらそれは間違いです。書いてあるだけで、有名無実になっている会社だってあります。また、入社前のイメージと現実は、雲泥の差だったなんてこともあります。
 これって、意外と入社後のモチベーションにつながる要素です。僕なんかは、どこの会社に行っても、制度を作っていく方なんで、今はあまり気にしませんが、新入社員当時は、やっぱり休みが待ち遠しかったし、労働条件も、なんか聞いてなかったなあ・・・なんてことがありました。説明会や面接の場では、なかなか面と向かって聞けない項目であるがゆえに、入社前と後のギャップが激しいところでもあります。
 ちょっと視るべきポイントを書いておきましょう。
 まずはやっぱり給与から。初任給という表現で記載されていることが多いです。業界による差はありますが、だいたい学卒では20万前後。院卒でプラス2万前後。さらに研究専門職でプラス4万前後、という感じが一般的でしょうか?
 IT通信業や、一部マスコミ関連で初任給が高い企業がありますね。逆に金融や商社などでは、初任給は他業界に比べて抑え気味です。まあでも少なくとも初年度の給与で見た場合、どこの業界もそんなもんでしょう。
 但し、IT系や外資を中心に、年俸制を採用している企業もあります。もし年収を単純に12分割するという場合は、当然ながら毎月の給与は多くなりますが、そのかわり賞与(ボーナス)がありません。これは僕の個人的意見ですが、最初の会社ではボーナスはやっぱりあったほうが嬉しいですよ。月給以外で、一度に何十万というお金がもらえるっていうのは、会社員冥利につきますね。新卒1年目でもある程度はボーナスが出ます。特に冬。これは本当に嬉しいものです。
 ところで、あまり考えたことないかもしれないけど、この初任給のうち、キャッシュで自分の懐に入る額ってどのくらいか判りますか?記載金額全てが振り込まれる訳ではありません。色々な名目で控除、つまり天引きされます。これって実は、入社後の生活スタイルに影響してくるので、少し頭に入れといた方がいいです。
 通常、毎月の給与から控除される項目としては、以下の2つがあります。
①法定控除・・・所得税・住民税・社会保険料(健康保険料・厚生年金保険料・雇用保険料)
②その他の控除・・・会社ごとで決まっているもの(例;社宅料・財形貯蓄・従業員持株会費)
 書いてみると結構ありますねー。学生の頃って、あまり税金って意識したことないでしょうが、会社員になると、否が応でも意識することになります。だって自動的に給与から引かれていくんだから。国民の義務とは言え、まとまって天引きされると結構空しくなったりもします(笑)。
 もっとも税金のうち、住民税については1年目の皆さんは引かれません。つまりゼロ。これは昨年の収入額に応じて決定されるため、昨年学生だった皆さんは関係ないんです。でも次年度、つまり2年目からはシッカリ引かれます。これも結構イタイ。社会保険料についても、何かとお騒がせな年金問題等々ありますが、会社員の場合、自動的に計算されて天引きされます。
 ①の「法定控除」額をザッと見積もると、初年度でだいたい1.5万円前後の額が毎月の給与からすでに引かれていると考えて下さい。そう考えると結構、シビアでしょ?
 もっとも通常の企業の場合、必要に応じて残業代が支払われることになるので、実際にはもう少し手取りが上がることもあり得ます。でも残業代はあまり期待しない方がいいかも、今のご時世は。
 ②の「その他の控除」については、これは会社によってマチマチだし、任意の場合もあるので一概にいくらくらいとは言えません。
 しかし、大企業になればなるほど、会社独自の制度が充実しています。制度の維持運用には、基本的には経費がかかります。その会社の社員になれば、自動的に強制加入させられる制度であれば、会社負担の割合が非常に高くなったりもするでしょうが、参加が個人の裁量に任されている場合は、個人負担も大きくなります。だから、企業の採用スペックを見て、「ああ、この会社は、色んな制度が充実しているから魅力的だなあ・・・」なんて思っても、実際にその制度を自分が使おうと思ったら、その使用料は自腹ってことです。
 例えば、会社が行っている財形制度の一環で、従業員持株会がある場合、それに加入すれば、もちろんトータルで見れば財産の形成ですから収入アップにつながるでしょうが、毎月の天引きは覚悟しなければなりません。
 また社宅・寮制度を利用しようとする場合にも、個人負担額が決められていて、それも天引きされます。もちろん自分一人でアパートとかを借りるよりは、リーズナブルなんですがね。
 あとは細かいですが、会社によっては、社員旅行積立金があったり、社員食堂がある場合には、利用に応じてまとめて天引きされたり、といった場合もあったりします。
 初任給については、そのくらいのイメージで考えておいてください。給与には、大まかに分けて、「基本給」と「諸手当」に区分されます。また「給与以外の支給」として、通勤定期代や、営業員なら売上報奨金、研究員なら発明報奨金等もありますが、ここではちょっと無視します。
 よく新聞なんかで、『冬季ボーナスは業界平均2.5ヶ月分』とか言って記事が掲載されたりしますが、この2.5ヶ月分というのは、基本給に対して、という意味です。諸手当というのは詳しくは書きませんが、通常は、ボーナス算出の基礎にはなりません。だから月給が20万だからと言って、ボーナスが20万×2.5 とはならないことを理解してください。この給与分類というのも、学生時代にはあまり考えることはないでしょうが、働き出すと、ダマされた・・・って思ってしまう要素でもあります。会社はダマしてないんですけどね(笑)。

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