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シリーズ13 「企業研究のツボ・やり方論」 18  採用条件の見方 福利厚生

企業研究のやり方
2012-12-13

企業研究のやり方

採用スペックの研究の続きで、今日は「福利厚生制度」についてです。
 そもそも論になりますが、「福利厚生」の意味は何でしょう?まあ読んで字のごとく、ですがね。
 「福利」は幸せと利益。「厚生」は生活を厚くする、つまり豊かにするということ。企業における福利厚生の大前提は、従業員の生活の安定、心身の健康の増進、勤労意欲の充実等を目的としていることです。人材は企業の成長の柱であり宝。常に元気で前向きな気持ちで業務にまい進して欲しいというのが企業サイドの想いでもあります。
 福利厚生に関しては、学生が就活を行なう際の重要ポイントの一つですが、休日・休暇と同様に、この質問をすると何となく後ろ向きな印象を与えてしまうのではないか?と必要以上に考えてしまい、確認が後手に回りがちです。もちろん、学生によっては本当に、「自分は福利厚生なんかどうでもいい!」って考えている人もいるでしょうが、逆に福利厚生関連は非常に気になるっていう人もいるでしょう。それは各々の仕事感だし、どっちが良いとか悪いとかってことはありません。よって会社サイドも、福利厚生の質問をされて評価を下げることはありません。しかし以前書きましたが、面接の場においては、展開によっては、福利厚生の質問をしない方が無難なケースもあります(詳細は「攻略本を総論で読むということ2」 を参照願います)。
 しかし、入社後においては、普通の人は福利厚生の充実というのは、どうしても求めてしまうものです。それは当然です。学生時代の価値観と異なり、入社後は生活がかかってきます。生活がかかってくるというのは、一日の大半を仕事に費やすということ。だから本音としては、就活の際にキッチリ知りたいと思うのではないでしょうか?
 前置きが長くなりましたが、企業の採用スペックで「福利厚生」を視る際に、法令等により、会社なら絶対になくてはならない項目と、それ以外の会社独自で持っている任意の項目があることを理解して下さい。絶対になくてはならない項目とは例えば、
①社会保険、雇用保険、厚生年金保険のような各種保険制度 ②育児休暇、介護休暇に代表される休暇制度 ③健康診断や成人病健診
 などですね。これはあって当たり前。この手の項目が福利厚生制度にデカデカと記載されていても、騙されないで流してください。こんなのは書かなくてもいいくらいです。もっとも、これに付随して特典がある場合は別ですけど。例えば、保険制度の中に生命保険や損害保険でグループ割引がある場合や、ホームヘルパーや託児所を独自に持っているとか、健康診断で独自のヘルスセンターを持っていて、そこで詳しくやってくれるなどは、立派な福利厚生制度と言えると思いますね。
 一方で会社独自の任意の項目。これこそ皆さんが気にするところでしょう。これで代表的なものといえば、以下のものです。
①法人会員施設、契約保養所、各種スポーツ施設の利用 ②社宅・寮制度(自社所有住宅、借上物件、手当補助等) ③生活財形制度(従業員持株会、社内預金、退職年金等)
以上の3項目は、福利厚生の充実を「働く動機」 に挙げている人は最低でもチェックしたい項目ですね。
 ①の法人会員の施設・保養所については、最近はどこのものも非常に充実しているし、利用もしやすいので安心して下さい。休日休暇の実態とは異なり、この法人会員の利用は、どこの会社も従業員に使うように、推奨するはずです。何故かというと、会社は会費を毎月支払っているからです。会費を支払っている以上は、利用頻度が低いと会社としては損です。これは費用対効果の問題。簡単な理屈です。
 ②の住宅に関しては、これは業種や会社の規模や体質によって異なってきます。勤続年数が高い製造業で、原材料加工なんかを行なう企業。旧財閥系を中心にした大企業に導入されている場合が多いですね。これは設備投資額が莫大になるし、政財界ともパイプがなくてはならない。新興企業が参入しにくいんです。だから必然的に社歴も長くなります。こういった企業は、自社の社宅団地を持っている場合が多いですね。例えばJFEスチール㈱ 。ここは鉄鋼の最大手ですが、ここの採用スペックで福利厚生を視ると、市営住宅のような独身寮や社宅を保持していることが写真つきで書いてありますね。家族の生活の心配をしないような配慮で、仕事の精を出して技術の腕を磨いていってほしいという想いの表れでしょう。また企業規模は中堅どころでも、全国に拠点や店舗を持っている営業会社や小売販売業の場合。
 こういった企業は、転勤が非常に多いものです。しかも数年に一度の割合で異動があるもの。この場合は自社所有の団地を持つより、一般の物件を借上げて会社指定の物件にして、従業員が異動する度に、そこに入居させるほうが合理的で費用対効果もいい。借上社宅制度にしている企業の想いの背景にはそういう事情があります。
 住宅手当が補助されるケースは、会社によって考え方が違ってくるので一概に傾向値を書くことはできません。一切出さないという会社もあれば、給与政策上、地域手当とかっていう名称で支給するケースもあります。ただし、最近は不況のあおりもあって、こういった諸手当自体が削減されている会社が多いことは否定できません。
 ここまで書いてきた福利厚生以外にも業界によっては従業員冥利に尽きる制度もあります。例えば、社販制度。商社であればブランド品が激安で買えるし、百貨店や小売業では割引制度があるでしょう。旅行業界ではチケットが激安になります。働く動機に「ブランド品をたくさん買いたい!」なんていう人がいたら、こういう業界を選ぶといいですね。
 全てにおいてそうなので何度もしつこく書きますが、企業選びの基本は全て、「働く動機」です。しかも本音ベース。福利厚生だって例外ではないんです。
 ここまで長くなりましたが、最後に一つだけ。厳密に言うとこれは、福利厚生制度ではないのですが、その会社の「教育研修制度」が充実しているか?についても、チェック項目に入れて欲しいと個人的には思います。
 その会社が従業員の教育研修をどう考えているか?を知ることは、その会社が従業員の成長と幸せをどう考えているのか?ということとイコールです。教育研修こそ、僕は企業の最大の福利厚生だと考えています。だって「幸せと利益」なんだから。従業員がスキルアップすることは企業の発展につながります。
 ちなみに福利厚生制度も、社歴が浅いベンチャー系は充実度合いが低いです。やっぱり一日の長がある大企業の方が手厚いですね。働く動機の中で、福利厚生の占める割合が高い人は、この辺りをじっくりと見極めて下さい。

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