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シリーズ13 「企業研究のツボ・やり方論」 20  中小企業とベンチャー企業

企業研究のやり方
2012-12-14

企業研究のやり方

僕がこのブログを始めて間もない頃、「大手とベンチャー」 という記事を書いたことがあります。
 そこでの主張は、「新卒の人はできるだけ大手企業に入社した方がいい」というものでした。この見解は、原則論としては、僕の就活の基本線です。まずは組織で働く、ということを身体で覚えた方が将来に活きます。これは僕自身の体験から明言できることでもあります。
 もちろん、学生の中には、バイトやインターンシップ、さらには自分から積極的に売り込みに行ったりして、自分の仕事観を確立している人だっています。それはそれですばらしいことだと思います。そういう人は、自分の仕事観を信じて、初めからベンチャーに入社してもあまり支障はないだろうし、水を得た魚のようにイキイキと仕事ができるのであれば、むしろ入社した方がいいとも思ってます。
 ただ、そういう学生はホンの一握り。多くの学生は将来の具体的な方向性は視えてなんかいないはずです。これは毎年、大企業の新卒募集に人気が殺到することからも窺い知れます。
 世の中に何十万人といる就活生。それに対して大企業の募集人員は、日本の求人数全体でも1割に満たないのではないでしょうか?不幸にして、不採用となった人は働くのを諦めるのか?というと、決してそうではなく、やっぱり中小・ベンチャーにもエントリーして最終的に内定を勝ち取っていくものです。過去に何度か書きましたが、日本には会社が約300万社ほど存在します。その中で日本の株式市場に上場している企業は、新興市場(ジャスダック・マザース等)も入れて、たかだか3,000社。わずか0.1%に過ぎません。その観点から言うと、就活で最後まで大企業に固執することは危険でもあります。自分の考えを否定する訳ではないですが、全てのベンチャーがダメという訳ではなく、世の中にはすばらしいベンチャーもたくさんあります。
 という訳で、ベンチャー企業をどう選ぶかということについても、僕の見解を書きたいと思います。
 最近の新卒求人のページを読むと、全ての企業に共通したキーワードが出てきます。それは「改革」とか「変革」とかっていう言葉です。実はこれは、世の中の上場企業全てに、その意識があるといっても過言ではないんです。この背景にあるのは月並みですが、
「バブル経済の崩壊」 「脱・終身雇用及び年功序列」 「少子化・高齢化という人口動向」 「規制緩和による競争時代に突入し、デフレ経済に拍車がかかる」
 などという要因が挙げられますよね?これは大学でも勉強することでしょう。
 ベンチャー企業が台頭してきたのは、この日本経済が停滞している時期にリンクします。世の中にある大企業は、世の中の価値観が変わっているのにも係わらず、どうしても既存のスタイルを打破できずに、市場のニーズに応えきれない側面が生まれました。今までの常識が通用しなくなったにもかかわらず、自分たちの会社の今までの常識を否定しなかったのだから、当然と言えば当然。その隙間に入ってきたのがベンチャー企業です。規制に守られた時代では生まれにくい新規参入ですが、今の時代は市場のニーズを掴み、それに応える自信があれば簡単に挑戦できる環境になりました。
 ところで、中小企業とベンチャーってどう違うのでしょうか?従業員数や、資本金がいくらか?なんてことで分類できるものではありません。僕は中小企業とは、すでに市場における自らの地位も確立し、企業体質も営業方法も固まっている企業だと考えています。企業規模や生産量が大企業と異なるだけで、スタイルも価値観も大企業と似ています。自動車の下請企業なんかは、その典型例でしょう。だから不況になると、大企業と同じように業績が悪化する傾向にあります。
 男はつらいよ」の寅さんシリーズ。あの映画に出てくるタコ社長が、中小企業の典型的な社長の姿です。
「寅さんみたいなヤツに、中小企業の経営者の気持ちが判ってたまるか!!」
 タコ社長の常套句です。汗を拭き吹きチャリで資金繰り。僕はタコ社長のこと大好きなんですけど。
 一方で、ベンチャーという言葉の意味は冒険という意味です。つまりベンチャー企業とは、世の中の常識に挑戦すべく立ち上がったスタートアップ企業というふうに言い換えることもできます。業界は全く問いません。隙間があって、自分の唱えるビジネスモデルに自信があれば、どんどん突き進んできます。文化も伝統も浅く、体制もこれから作っていく企業ですから、身軽です。
 最近は、規模の小さい企業はほとんど全て、うちはベンチャーだ!って言ってますが、僕に言わせれば全然冒険してないじゃん!?っていう企業もあったりします。だからその観点で切り分けてみて下さい。
 もっとも新卒で入社する場合、中小企業とベンチャー企業、どっちが自分にとって幸せかは、一概には言えませんが。
 そんなベンチャー企業を分類するとした場合、成り立ちという意味で大まかにいって2つの分類に分けることができます。それは、
①商社や大企業から、戦略的に産まれたベンチャー企業
②社長自ら、満を持して独立創業したベンチャー企業
 厳密に言うと、①と②の中間型も存在します。オーナー(法人・個人問わず)がいて、そのオーナーに指名され、社長になるケースです。まあこれは②にいれましょう。
各々の説明は、次回に続きます。

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