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シリーズ 8  「就活と新社会人のハザマ」 最初の壁

就活悩み(内定後)
2017-09-03

就活悩み(内定後)

 僕が新卒で初配属になった部署の直の上司さんは、自分で仕事を抱え込んで、部下にはその時のアップアップ具合で仕事を落としていくタイプで、言うことの一貫性がない人でした。
 例えば普段は、「お昼の休憩時間にダラダラ仕事をしないで、キチンと休憩して食事をしなさい」とうるさく言う反面、たま~~に役員クラスに呼ばれ、仕事の指示があった際、そのレベル云々に係らず、すでにもうアップアップ。部署に戻ると、「なんだ!?なんでこの忙しい時にメシなんか食ってるんだ!さっき指示したヤツ出来たのか?早くやれよ!」・・・などど平気で、手のひらを返します。部下が一番仕事しにくいタイプですね。
 その人は法律的な知識がある程度あったので、一緒に仕事してると非常に勉強にはなりました。でも人間性という意味では、僕は今でもマネージメントの反面教師にしています。つまり部下に対して、その人の接し方と100%反対のことをやっている、と言う意味です。
 しかも僕の場合、大学院まで理系一筋。自分から望んだとはいえ、いきなり畑違いである法律の世界に入り込んだ訳ですから、なんというか、自分の無力感も人一倍でした。もともと鼻っ柱が高い性格で、ある意味自信家だった僕が、ここで感じた無力感や挫折感は、スゴイものがあった・・・と今でも思います。法律の下知識がない状態で、社会人という役回りで、学生時代とは全く価値観も時間の流れも異なるような職場という環境に置かれる寂しさ。追い討ちをかけるように、上司は最悪。本当によく辞めなかったなあって思いますね。
 実際、その頃の自分は辞めることしか考えていませんでした。朝起きて電車に乗るのが苦痛で仕方ない。水曜までは、時が経つのが本当に長くて気持ちが晴れたことがなかったなあ。当時スマップの「shake」が流行ってて、「~♪明日は休みだ、仕事もない。早起きなんてしなくてもいい。君と昼間で眠れそう♪~」なんていう歌詞に、いつもため息をついたものです(笑)。特に週の初めは。彼女はいなかったけど・・・。
 でも辞めなかった。これはナニクソ!石にしがみついてでも!なんていう男らしい理由ではなくて、辞める勇気がなかったという、消極的な理由の方が大きかったけど。今振り返るとその頃、安易に辞めなくて正解だったなあと思います。その頃判らなかったことで、色々得たものもたくさんあるし。それは必ずしも仕事の専門知識だけではなく、会社組織の実体論とか、組織におけるルールや秩序など、間接的なものもあります。
 いつも辞めたいと思っていたピークは、入社1年目の夏ごろです。入社1年目というのは、一年中そんなこと考えてたような気がするけど、今の記憶に残っているのはナゼか夏ごろ。試用期間も解けて正社員になった時期だったからかもしれません。
 その数ヶ月前、つまり学生時代には、まさか自分がそんな状態に陥るとは微塵も思ってもいませんでした。自分は絶対に本社の管理部門に配属にさせてもらって、エリートコースを歩むのが当然、くらいのことを平気で思っていたし、仕事が出来ないとかなんてあり得ないと思っていたんです。
 でも実際には出来なかった。もちろん法律知識という面もあるのですが、会社で仕事をしたことがない人間が、いきなり第一線でバリバリできる訳がないんです。バリバリやるには、他人に認めてもらわないと出来ません。他人に認められるには、下っ端仕事や泥臭い仕事も含めて、上司や仕切っている人の指示通り動いて、結果を出していかないといけないんです。
 指示に従い結果を出す・・・これって当たり前のことじゃん!って思いますか?
 でもこれが意外と出来ないんです。特に大卒の新人にはね。学生時代に自分が想像する仕事してる姿って、どうしても自分で企画して実践して仕事してるようなカッコイイ図になるんです。この会社でこういう風に仕事して、どんどん改善提案して、一目置かれて・・・なんてね。でも残念ながらカッコイイ図になるのは、ちょっと修行時代が必要です。
 少なくとも学生時代の僕のアタマに浮かぶ図は、今考えるとすでに入社10年目くらいのキャリアとスキルを積んだ自分でしたね(笑)。絶対に1年目の図ではないです。メチャクチャ非現実的。
 まあ、これはこれで仕方ないんですが(何度も言うように、学生はまだ働いたことがないから)、でもアタマに浮かぶこの図が鮮明であればあるほど、入社直後の現実とのギャップが大きくなります。だから挫折感を味わうことになるし、最初に直面する壁になりますね。
 入社一年目の仕事なんて、どんなに頑張ってもカッコイイ仕事っぷりには程遠いものです。職場で一番下っ端だからということもあるし、仕事のカッコよく行うだけの知識もなければ、状況判断できるだけの経験もない。判断すべきデータが自分の中に蓄積してないんです。だから庶務・雑用といった仕事が必然的に回ってくるもの。
 ところで、僕が現実に直面していた入社一年目に、密かに心の拠り所にしていた言葉があります。僕が安易に辞めなかった理由として、この言葉があったから、という理由も決して小さくはないんです。
 その言葉は、他ならぬその会社の社長が、新入社員の研修合宿で、僕を含めた新人300人の前で訓示として発したものです。
つづきます。

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